カナコラム  (更新 月曜:かなこ、木曜:endy )

私もベースやってました。 by endy

2004/11/04

ども、TVを見ながらダイエットに励むendyです。

●行きつけの店

私、行きつけのお店を作ることに以前から憧れていました。
私の使う楽器はほとんど同じ店で作ったものですし、お寿司屋さんも行く回数は少ないですが、いつも同じところです。
昼食を食べるところはさすがに1店というわけには行きませんが、それでも2,3店に絞られます。
そんな行きつけのお店のひとつに理髪店があります。
いわゆる床屋というヤツですね。
さすがに物心ついてからずっと同じというわけではありませんが、東京から地元に戻ってきてから15年近く同じ店で髪の毛を切ってもらっています。

そこのお店、カットも上手なんですが、いつもカットしてくれるマスターとのおしゃべりが楽しみで月に一度足を運びます。
そのマスターは実にヨイショが上手で、あそこまであからさまに褒めてもらうと、それがお世辞だとわかっていても顔がほころんでしまいます。
カット代は3,800円。
今は大体そのくらいなんでしょうが、正直安いとは思いません。
それでもスナックなどでお酒を飲むことのない私にとっては、月に一度の飲み代だと思えばそう高いものではないなと思っています。

●お、ベース仲間か?

先日も話はバンドの話で盛り上がりました。
実はそのマスターも若い頃ドラムを叩いていたこともあって、いつものようにお店の中で大盛り上がり。
といっても切る人と切られる人の二人だけで大盛り上がりなので、ハタから見るとちょっと変な光景かもしれません。

マスターのカットが終わると、通常若い子に変わってシャンプーや髭剃りになります。
その日は数ヶ月前から店に出ている女の子。
シャンプーが終わって肩をマッサージしながら、彼女が私に話しかけました。
「ベースやってるんですか?」
私、親しい人とは話をしますが、そうではない人とは別人のように無口になりますので、その店でもマスター以外と楽しくおしゃべりすることはほとんどありません。
というか、マスター以外の人の話は面白くないんです。
「えぇ、やってますよ。」
そう答えると、彼女は嬉しそうにこう言いました。
「私もベースやってました。」

●ケース持ってるだけで

カットしている間は普段かけている眼鏡をはずしていますので、近眼の私にはどういう顔をしているのかボヤけてよくわかりませんが、それでも確実に若い女の子である彼女が、私と同じ楽器をやっていたというのです。
「へぇーそりゃすごいねー。」
でも彼女はちょっとはにかみながらこう続けました。
「中学の時にどうしてもベース持ちたくて買ったんだけど、友達に貸したらそのまま返ってこなくなっちゃったんですけど。」
へ?それじゃ1回も弾いてないの?
「うん、友達も今どこにいるかわからないんですよ。」

ん?それじゃ何でベースなんてやろうと思ったんだ?
「中学の頃、ギターケース持ってるだけでかっこよく見えたんですよねー。弾けないんだけど、教室にギター持ってきてる人いたんですよ。それ見ててかっこいいなーって思って私も買うことにしたんです。それにベースってギターより弦少ないし。」

それってサーフィンはやらないけどサーフボードを持って歩くという「陸(おか)サーファー」と同じか?
「あ、そんな感じです。中身入ってなくても持ってるだけでかっこいいと思ってたんですよ。だから風の強い日なんかケース曲がっちゃったりして、アハハ。」

ケ、ケース持ってるだけでかっこいいのか?
「友達の彼氏がバンドやっててスタジオで練習する時、見に行ったりしたんですけど、その時も弾かないくせにベースケース持っていってたんです。」
理解不能だ・・・。
最後に彼女が一言。
「ま、ケース持ってれば、美白でいうと2割増ってとこです。」
早く一人前の理容師になんなさい。

ざいだん出前コンサートVol.44のリポートをアップしました。

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