カナコラム  (更新 月曜:かなこ、木曜:endy )

イケてる40歳 by endy

2004/12/09

ども、餃子は羽が生えてなくちゃのendyです。

●初めてのベース

私はベースという楽器を弾いています。
もうかれこれ30年近く弾いてきたことになります。
今じゃ毎日なんて弾いてませんし、途中何年か弾けなかった時期もありました。
それでも「貴方は何か楽器が弾けますか?」と聞かれたら、間違いなく「ベース」と答えるでしょう。

私が初めて自分のベースを手にしたのは、高校1年の時。
母方の親戚の人から安く譲ってもらった中古。
安くと言ってもそれは定価に比べて安いというだけで、実際は分不相応な買い物でした。
もちろん高校1年の私にそんなお金はありませんので、親に買ってもらいました。
その中古のベースは、世界で初めてエレキベースを作ったフェンダーというメーカーのもので、今でも一流メーカーとして名を馳せています。
残念ながら、訳あってそのベースは手放してしまいました。

●ヴィンテージ

私が最初に手にしたフェンダーには、ヴィンテージと呼ばれるようになった楽器達があります。
ワインと一緒で、年代によって楽器にも出来不出来があり、ヴィンテージは「良いもの」とされています。
ミーハーかもしれませんが、楽器を愛するものはこのヴィンテージを手にしたいという人は少なくありません。
かくいう私もその1人です。

じゃ買えばいいじゃない。
確かにそうなんですが、もう新たに生産されることのないヴィンテージは、今後高くなることはあっても安くなることは決してありません。
エレキギターの場合は、ヴァイオリンなどのような何百年という歴史はありませんので、数億円などという信じられない金額にはなりませんが、それでも状態のいいものは日本で購入すると百万円を超えます。
そんな高いモン、買えるわけがないのです。

●ヤニベ

そう思っていましたが、たまたまアメリカに旅行に行けることになり、それならばと目的をヴィンテージベース探しの旅にすることにしました。
しかしアメリカといえども、もう日本を始めとする楽器バイヤー達が買いあさり、どこに行っても見つかるというものではありません。
現に私が行った十数件の楽器屋さんで、私の手が出せるものはたったの一本だけ。
それも「ウワッ」と声を出してしまいそうなボロボロの姿。
そのままの状態では使用不可能な状態です。

しかしもう二度と来ることもないと思いましたので、清水の舞台から飛び降りるつもりで購入を決意。
表面の塗装が経年変化でタバコのヤニがついたようになっていたので、名前は「ヤニベ」に決定。
そのヤニベちゃんは日本で修理・調整してもらい、もったいなくて頻繁に使うことはありませんでしたが、大事なときには登場してもらってました。

●まだまだイケルのよ

最近、出番がなくなったヤニベ。
製造年月日を調べてみたところ、おそらく1965年頃に作られたものらしい。
人間で言えばもう40歳になろうとしているわけです。
しばらくお相手をしてなかったせいか、やはりあちらこちら具合が悪くなったり、見た目もすすけてきていました。
部屋の隅のスタンドで淋しそうに飾られているのを不憫に思い、先月思い切ってリペアショップにオーバーホールに出してあげることにしました。

先日オーバーホールを終えたヤニベが我が家に帰ってきました。
どこか垢抜けた感じで、キレイにお化粧した感じです。
「私、まだまだイケルのよ」とでも言わんばかりです。
心なしかその声にも、艶があります。
これはひとつ、どこかで彼女の晴れ舞台を考えてあげねばと考えております。

筝曲美音和会 社中交流会のリポートをアップしました。

感想・ご意見をお聞かせください。

miyazaki.kanako@gmail.com