カナコラム  (更新 月曜:かなこ、木曜:endy )

寄り道もまた楽し by かなこ

2004/12/06

ある時、知人から一冊の文庫本を頂きました。
『一本の道』〜平山郁夫〜。
平山郁夫画伯の絵画と文。

本の裏表紙には

炎熱の風土に生涯のテーマを追う画家・平山郁夫は、峻険と砂漠をこえて仏教の原初の姿を求める旅へと歩を進めた 云々〜

と書いてあります。
その本の表紙絵でもある「流砂浄土変」が私が一番好きな絵。

この絵の下段に書かれていた文章はこうあります。

仏法はゆっくりと東へ進んだ
生命をかけて旅する僧たちの心と手に運ばれて・・・
砂漠を往く隊商のラクダの荷の片すみに
商人たちのことばのはしはし
ほんのささいな身ぶりにこっそりまぎれこみ
仏法は千年もの月日をかけて
ゆっくりと東へ進んだ


私は敬虔な仏教徒ではありませんし、宗教への感心も希薄です。
宗教とかには関係無く、単にこの文章の中の「ほんのささいな身ぶりに
こっそりまぎれこみ・・・」という文章に心が惹かれました。

この絵を見た時に(数年前)、なんだか得たいの知れないメロディーが浮かんできて、それをもとにピアニストの友人Y・Iさんに編曲をしてもらって、筝とピアノの二重奏としての一曲が生まれました。

人のくらしの月日は一本の道。
他と比べる必要の無い一本の道。
それぞれの月日であって個々の道。
もしも、その道にこっそりとまぎれこんでくれているものがあるとしたなら、それって何なのでしょうね?

お掃除をしている時にあっちこっちに気持ちが動くという私の散漫癖は、またしても文庫本片手にかなりの寄り道・・・。
我が寄り道もまた楽し!

「月日ばかりや、巡り来て・・・。」
そんな感慨も浮かぶ年の瀬になりましたね。

筝曲美音和会 社中交流会のリポートをアップしました。

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