ども、バヨリン持ったにいちゃん、endyです。
●外国人のイメージ
私は英語が話せないことに加え、典型的な日本人特有の卑屈さを兼ね備えておりますので、外国人が得意ではありません。
決して外国人が嫌いということではなく、好んでそばに寄ることはないということです。
そんな私ですが、長いことをバンドをやってきたこともあって、知り合いからコンサートのMC(司会)を頼まれることがよくありました。
しかし私に頼んでおいて、実は私のことを信用していないらしく、相方を用意されることもしばしばです。
コテコテの日本人臭さを排除したいのか、コンサート会場の雰囲気をいかにも異国の雰囲
気をかもし出そうという意図で、相方が外国人ということも少なくありませんでした。
私のイメージする英語のMCは小林克也、バッキー木場、クリス・ペプラーなど、名前と顔は一致しなくてもその声はTV番組のナレーション等で必ず誰もが聞いたことがある人たちのことです。
彼等に限らず、FMラジオで聞く外国人は流暢な英語で(当たり前か)、1曲の紹介によく
もこんなに話すことがあるものかと思うくらい早口でしゃべり続けます。
それを聞くたびに私には真似のできないことだと白旗をあげてしまいます。
せいぜい私が対抗できるとすれば、「ロッテ歌のアルバム」の玉置宏くらいなもんです。
●タイトルコール
以前、ビートルズファンのライブパーティのMCを頼まれ、例によってその日初めて会う外国人と一緒にやることになりました。
本番前に少しは打合せをしておいた方がいいだろうなと思い、彼を呼びます。
私も素人ですが、彼はまったく初めてだということで、こちらがやってほしいことを説明することにしました。
「えーとね、始まる前にワーっと英語でしゃべって、パーティのタイトルを言ってほしいんだけど。」
「ドンナカンジデスカー?」
「レェディースアーンジェェエンノゥミェェェエン!ペラペーラペラペーラ、ビィイイイイイロゥウウウルズ、パァーディィイイイイイ!っていう感じ。」
「・・・。エー、アメーリカジャソンナフーニイワナーイヨ。」
「じゃどーいう風にいうの?」
「Ladies and Gentlemen,Beatles Party.」
(あのね、英語の教科書読んでるんじゃないんだから・・・)
「いや、そんなサラっとした感じじゃなくてね、もっと派手に始まるよー!って感じで。」
「デモ、アメーリカジャソンナフーニ、イワナイヨー。」
「いーんだよ、んなこたぁ。とにかくそーいう風に言って!」
●ツッコミ殺し
結局、本番は私のイメージの100分の1くらいのテンションで始まりました。
「こいつに期待しちゃいかん。自分で何とかせにゃあかんのや。」
既にそのことに気付いた私は、なるべく彼には話をふらず、自分だけで段取りを進めていき
ました。
そんな彼にもたまには話しかけてやらねばと思い、酒好きだと聞いていた彼のために、たまたま出たビールの話題をふってみました。
「そういえばアメリカにミラーっていうビールあったよねー?」
「ナイヨ、ソンナノ。」
「う、うそー、あるじゃなーい!ミラーっていうやつ。」
「ミラー?ナニソレ?」
「あるじゃなーい、エムアイエルエルイーアールって書いてるヤツ。」
「アー、メラーネ。」
「・・・・・。さ、次、まいりましょー!」
・・・えーえー悪うございましたね、発音が悪くて・・・。
その後、本番にもかかわらず離婚前の夫婦のように会話がなくなった私たちでしたが、さすがに黙って隣に立っている彼を不憫に思い、これなら応えてくれるだろうという質問をすることにしました。
「今日は何食べてきたの?」
・・・今は夜だ。いくらお前でも何か食ってきただろ。さぁ答えてみろ、お前が何を食っていようとも、オレ様が見事なツッコミで会場を盛り上げてやるゼ!
一瞬、視線を遠くにやった後、彼は答えました。
「アー、ワカラナイ。」
「・・・・・。さ、次、まいりましょー!」
※函館音楽協会春季定期演奏会と第92回函館三曲協会演奏会のリポートをアップ。
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