カナコラム  (更新 月曜:かなこ、木曜:endy )

足し算の時代 by かなこ

2004/03/29

前カナコラムの続きを書きますね。
正派音楽院本科音楽科の卒業式を終えた時、「研究科に残れるなんて思わなかったものですからアパートをはらって帰函するつもりでした。ですから住むところをまず探さなければなりません・・・。」とその場で先生にお話しました。

うれしいはずの私ですのにとても不安顔で唯是先生にお話したようで、先生は「あら〜、そうなの〜!」としばし沈黙。
「可哀想に・・・。」と思ってくださったらしく、「お家元の離れに住まわせていただきましょう。」という結果になり、私は立派な離れ(一軒家)に住まわせていただくことになりました。

前もって住むことに決まっていた2人の音楽院生にとってはさぞかし迷惑な「事件」だったことでしょうが、嫌な顔など微塵も見せず「仲間」に加えてくれました。
私にとっては初めての「共同生活体験」が始まった訳です。

1人は後輩で高知出身、1人は同期で富山出身(年上)。
明るくほがらかで過干渉をしないタイプの2人との生活は、一人っ子の私にとってはとても楽しいものでした。
お家元先生のお宅でのお手伝い仕事も時々はさせていただけましたし、それも良い経験でした。

研究科に進むと決まった私は早速NHK邦楽技能者育成会をも受験し、無事合格した私は音楽院研究科と邦楽技能者育成会、両方に在籍し密度の濃い忙しい1年間を過ごしました。
無理がたたって体を壊し、「一時でも帰郷して療養したほうが良いです。」とお医者様に言われたこともありましたが、時間が勿体無くて帰る気持ちにはなれず、食事はトマトジュースだけという生活を2週間続けて無事体調回復に至ったこともありました。
研究科と育成会の卒演も充実した楽しい勉強の時でした。
トータル3回の卒演を経験出来た私は実に幸せです。

若いころは体力は二の次、精神力だけで未来に向かって進めた感じでしたね〜=足し算の時代かな?
最近は「そろそろ引き算の時に入ったかな〜?」と思うこともあります。
でも若かりし頃を思い出す度にまた力がみなぎってくるようで、「想い出」から力をもらえるなんてありがたい事だとも思います。
私は人生を卒業するまでの間、今後何回のステージを(体力と相談しながら?)経験するのでしょうね・・・。
新たに出発するために毎回が「卒演」なのかもしれません。

研究科と育成会を卒業してからも1年ほどは東京在住でした。
懐古話はまたそのうちに!

3/3、おひな祭りコンサートをやってきました。

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