カナコラム  (更新 月曜:かなこ、木曜:endy )

卒業演奏会 その1 by かなこ

2004/03/15

わが社中のお弟子さんの発表会は、来る4月25日(日)に決まりまして、昨日14日から合奏練習が始まりました。
「私達だけで演奏する曲を陰で聴いてる先生は、一番くたびれるだろうね〜。」
「ハラハラドキドキの連続で先生にとっては、精神衛生上良くないかもね!」
などと心配してくれています!?
(心配させないで!)

この会話を聞きながらある記憶が蘇ってきました。
3月14日は私が学んだ「正派音楽院」の卒業演奏会(略して卒演)の日。
例年この日が卒演と決まっています。
(今年は稀なる例外で15日ですが。)
卒演で何を演奏させていただけるのかという事が、当時の私達・学んだ学生にとっての最大とも言える関心事でして、前年の終業式(年の瀬)に発表される卒演演奏曲発表は、戦々恐々のピリピリした雰囲気の中に居て発表される時間を待ったものです。

音楽科の卒演時の曲として私が与えられた曲は、「尾上の松」という古典曲の唄と筝。
「尾上の松」は古曲の大曲でして、二十歳そこそこの私にとっては雲の上にあった大きな曲。
涙がにじむほどうれしくて舞い上がりそうでしたが、平然とふるまっていた私。
心の中では「ヤッター!!!」でした。
上京後の生活は「強さ=負けん気=根性」が育った時でしたから、顔には出さず・・・。

三弦は他派の演奏家・井上道子先生という第一級の先生。
尺八は現在人間国宝となられた青木鈴慕先生。
今にして思えば、よくもまあこんな贅沢なステージを与えてくださったもの!と未だにドキドキするほどの賛助の先生両名手との感動三曲合奏でした。

私の最初の師は母、宮崎美音和。
上京後師事したのは唯是震一師で、門人に加えていただき現在に至っています。
正派音楽院では、現家元の中島靖子師や第一線で活躍されている諸先生に真摯に教えを受けました。

唯是先生(親師匠)は、この時の私の「尾上の松」の演奏を手に汗にぎる思いで客席でお聴きになったのでしょうね。
きっと一番くたびれたのは唯是先生かもしれません。
この時の演奏や如何に?
このお話は次回カナコラムで!

現在の私があるのは、東京での5年間の学習と多くの出会いによって鍛えられた精神力だと思っています。
卒業時期が来るたびに「原点」にもどって頑張ろう!と思うのはきっと私だけではないでしょうね。

みなさんの「卒業」にまつわる記憶ってどういう感じですか?
卒業の春。
出発する春。
走馬灯のように「何か」を思い出す時期のような気がします!

3/3、おひな祭りコンサートをやってきました。

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