カナコラム  (更新 月曜:かなこ、木曜:endy )

人を裁くなんて出来るのか? by endy

2005/06/16

ども、ユルユルで「食」にこだわるendyです。

●灰色は黒ではない

つい先日、アメリカ全土を騒がせた裁判の判決が出ました。
世界のスーパースターのあの事件です。
日本のニュース番組でもそれなりの枠をとって扱われるわけですから、それなりのニュースバリューがあるのでしょう。
かくいう私もその判決に驚いたほうですから。
その判決についてここで触れることはしませんが、彼が過去に残してきた実績に関しては紛れもない事実として私に残っています。
結局、「灰色は黒ではない」という考えのもとでの判決は、ある意味仕方のないことなのだと思います。

●陪審員制度

ニュースを見ていて驚いたのが、陪審員の人がその判決について語っている様子です。
まるでテレビドラマや映画を見ているようです。
なんであんなにしっかり話せるんだろう?プロじゃないのに。
ご存知の通り、アメリカの裁判は陪審員が判決を下します。
陪審員はいわゆる一般人なわけです。
陪審員が選ばれる過程の詳細はわかりますが、全米をゆるがす裁判であってもそのシステムは変わりません。
守秘義務もあると思いますので、それをネタにしてテレビタレントになるなんてこともないのでしょう。
でも単純にすごいなーと思ってしまうのです。

●誰でも裁判員

日本でも2009年までに裁判員制度というものがスタートするそうです。
アメリカの陪審員制度と違い、陪審員だけで判決を下すということはせず、裁判官も評議に加わり、全員一致の結果に至らない場合は多数決です。
そういった違いはありますが、裁判員になるのはそれなりの基準はあるもののやはり無作為に選ばれる一般の人です。
つまり、私もこれを読んでいる皆さんも裁判員となって、被告を裁く機会が訪れるかもしれないのです。
昨日まで野菜を売っていた人も新聞を配っていた人も、家庭で主婦をしていた人も、会社をリタイヤして老後を楽しんでいる人も、バリバリの営業マンで日夜走り回っている人もです。

●拒否できない

出席できない正当な理由がなければ、拒否することはできません。
これってけっこう一般的な日本人の感覚としてかなり違和感があるかもしれません。
そもそも会社が裁判員になったので、仕事を休むのは仕方がないとすんなり認めてくれるのかというのがあります。
しかしよほどのことがない限り拒否は認められません。
仕事を休んで、裁判員の仕事をするわけですから、日当や交通費、場合によっては宿泊費なども支給されるようです。
しかも裁判は1日では終わりません。
実際に拘束される日数は少ないかもしれませんが、その裁判に関わる期間はかなり長いのではと思います。

●人を裁くということ

仕事を休まなきゃ云々はまぁいいとして、もっと重要なことは他人の将来を左右することになるということです。
テレビドラマで「あの人がきっと犯人ね。だって目が怪しいもの。」とか言ってるレベルではないのです。
「あの人はいやらしい目つきをしているから、絶対犯人よ!」というのは成立しない。
相撲業界を騒がしているお家騒動のニュースを見て、「へぇー見かけによらず、あの人はそういう人だったのねぇ」なんて鵜呑みにしてるようじゃ、裁かれる方もたまったもんじゃありません。
せめて裁判員にはなりますが、裁かれる方にはなりたくないものです。

北海道教育大学函館校、国際交流事業「日本文化実習」のリポートをアップしました。

感想・ご意見をお聞かせください。

miyazaki.kanako@gmail.com