カナコラム  (更新 月曜:かなこ、木曜:endy )

最後の“災” by endy

2004/12/30

ども、お酒は熱燗もいいなのendyです。

●災い転じる前に

いよいよ今年最後のコラムを書く日になった。
本当はこんなことを締めくくりに書きたくはなかったのだけれど、やはり最後はこの話で締めくくらなければならないのが残念。
今年、2004年を象徴する漢字は何か?ということで選ばれたのが、「災」という文字。
いろいろな災害があったけれども、「災い転じて福となる」にひっかけて、来年はよい年でありますようにという思いを込めたものらしい。
あまり嬉しい響きではないけれど、「そうだ、来年はいい年になってほしいもんだね」なんて思っていたら、まだ来年は来ていなかった。
「災」という漢字が発表されてから起きたこと。
それはまさに「災い転じる前に起きた“災”」でした。

●火災

函館にはないけれど、全国チェーンで展開している「ドンキホーテ」というお店の火事。
圧縮陳列という販売戦略が功を奏して急激な成長を遂げたけれど、今回の火事はそれが災いして、犠牲者を出したのではと言われている。
火事の原因は放火らしい。
確かに避難経路の確保等、店側がやらなければならないことはたくさんあったことと思うけれど、都心にあるビルの防火設備などちゃんと出来ていないところがやまほどあることを考えれば、やはり憎むべきは放火犯。
そして悲しむべきは、それを模倣した放火が同じ系列のお店で続いていること。

函館駅前の大門で20日未明に起きた火災。
友人に消防士がいるのだけれど、非番の朝に叩き起こされて呼び出された現場は、それはそれはすごい状況だったらしい。
廃れてきているとはいえ、やはり駅前の繁華街。
全焼になった老舗の蕎麦屋は、今年の年越し蕎麦を作ることは無い。
先日、その現場の近くを通ったのでどんなもんなんだろうと見に行ってみたが、あらためて火事の恐ろしさを痛感したのは言うまでもない。
そしてこの火事の原因も放火ではないかと言われている。
これらは火災という人災というのか。

●天災

今年、日本には台風が10コも上陸した。
そのうちのひとつは北海道にも上陸し、函館にも被害をもたらした。
北海道に上陸する頃には温帯低気圧になっているものという甘い考えが、被害を大きくしてしまったらしい。
台風の翌日、街中を車で走ったが、目に入るのは電線にぶら下がっているトタン屋根、向きが変わってしまった信号、なぎ倒された大木などなど。

そして新潟の地震。
神戸の大地震の時に比べて、死傷者こそ少ないものの、山間部で災害が起きたときの体制の弱さを痛感させるには十分なものだった。
土砂崩れの中から救出された子供の姿をテレビで見て、「よかった」と涙した人も多いのではないだろうか?
だんだんその記憶も薄らいでいるが、本当に大変なのはこれからなんだろう。

ちなみに我が家に甚大な被害をもたらしたのは、夏の落雷。
その時に壊れた2台のビデオの代わりはまだ用意されず、おかげでテレビ大好きのこの私も、リアルタイムの番組しか見ることはなくなった。
来年こそはDVDを・・・。

●最後の災

やれやれと思っていた先日、その「災」は世界に広がってしまった。
スマトラ沖の地震による津波。
まだ津波が発生してから数日しか経っていないのだけれど、日を追うごとにニュースで報じられる死者の数は1万人単位で増えていく。
村ごと流されてしまったり、連絡手段がなくて調査できないところもあるだろうから、最終的にどれだけの数になるのかも想像できない。
そして予想される衛生面からくる感染症などの被害。
いや、被災者の救済・支援などを考えると、いったいいつ元の平和な日々がやってくるのかわからない。

こんなに「災」がやってきた今年。
けれど、実はもうひとつ忘れてはいけない「災」があった。
人間の手によって起こされる必要のない「災」。
今もどこかで起きている「戦災」だ。
何の罪もない人が一瞬に数万人も亡くなってしまったというのに、まだそれでも自らの手によって人の命を奪わなければいけない理由がどこにあるのだろう。
「来年こそはよい年に」、毎年願うその気持ちは変わらない。
そして今年被害にあった人たちのもとに、平和な年がやってくることを願いたい。

気ままに筝ライブ vol.2 のリポートをアップしました。

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