カナコラム  (更新 月曜:かなこ、木曜:endy )

島崎藤村 春の唄 by かなこ

2004/08/23

昨日8月22日は作家であり、近代詩の第一人者とも言われる島崎藤村忌。
明治5年生まれ、昭和18年没。
代表作「破戒」の自費出版資金調達のために、明治37年に妻・冬子の実父である函館の秦 慶治氏をたずねたそうで、この函館行きのことを「津軽海峡」「突貫」という小説にしているそうです。
函館とも縁がある作家ということを私が知ったのは最近のことでした。

私が知っている島崎藤村の詩といえば、
「小諸なる古城のほとり」や「千曲川旅情のうた」「椰子の実」「初恋」。
それと筝の曲の歌詞です。

宮城道雄氏の筝の作品には(私が知ってる範囲ですが)、5曲ほど島崎藤村の詞が歌詞となっている曲があります。
「新暁」「うてや鼓」「若水」「潮音」「春の唄」

中でも「春の唄」(詩の原題は「春の歌」かも・・・。)は、母が昔チャリティーコンサートの折に筝と尺八とソプラノの歌い手の方とで演奏したことがあります。
練習を聴いた時に、詩とメロディーとの交わりがなんともロマンチックでうっとりしたものでした。
数年前にCD録音のお話を頂き、この「春の唄」を歌うことになったのですが、その時「あッ!あのロマンチックな曲の歌だわ!」と、とてもうれしかったんです。
詩を何度も読み、その思いを想像し空想しました。
ステージでは歌ったことも演奏したこともない思い出の一曲です。

誰か思わん鶯の 涙も凍る冬の日に 
若き生命は春の夜の 花に映ろう夢の間と 
ああよしさらば甘酒に 唄ひ明かさん春の夜を

梅の匂いに巡り会う 春を思えば人知れず
からくれないのかほばせに 流れて熱き涙かな
ああよしさらば花影に 唄い明かさん春の夜を

我が身ひとつも忘られて 思い煩う心だに
春の姿を止めくれば 袂に匂う梅の花
ああよしさらば琴の音に 唄い明かさん春の夜を

今でも時々そのCDを聴くのですが、途端に「寡黙でおとなしい私」になるんです。
う〜ん、何故・・・?

7/30のFMいるかライブスペシャル【THE GIFT】のリポートをアップしました。

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