カナコラム  (更新は毎週月曜・木曜の予定です)

方言詩「冬の月」

2003/11/24

遂に雪が空から舞い降りてきました!
函館には数日前に初雪が降ったそうですが、実際にこの目で確認した初雪は11月22日。
私にとっての2003年初雪記念日は11月22日。
例年よりも3週間ぐらい遅い「来函」らしいので、その分「晩秋」の時が長かった訳で例年よりも冬は短いはず!

22日は雪と強風という荒れ模様で、「舞い降りる雪」というより「舞い狂う乱れ雪」だったかもしれません。
新聞には吹雪に身を縮めて歩いている人達の写真が大きく写っていました。
いきなりの本格的冬の到来ですね。

新聞記事のとなりページに「高木恭造」という名前を偶然見つけました。
詩人であり眼科医だった高木恭造さん。
10年ほど前に、新聞記事に載った高木恭造さんの津軽弁の方言で書かれた方言詩を切り抜いてとっておいたことを思い出し、当時のスクラップブックを引っ張り出してきて懐かしく読み返しました。

下記は詩集「まるめろ」の中の「冬の月」と題する詩の一節です。

カガゴト プタライデ オモデサデハレバ 
マンドロダ オツキサマダ
フイダアドノヤブコイデ ドサエグドモナグ
ワア デハテキタンダ・・・・・・

漢字入りで書いてある詩で
( )内に高木恭造さん指定の読み(方言)を書いてあります。
ここでは全部カタカナで書きました。

カガ=奥さん
プタライデ=殴って
フイダアドノヤブ=吹雪の後の吹き溜まり
ワ=俺

わかりますか?
高木恭造さんの津軽弁の詩は、日々の情景を方言という言霊によって深く表現しているといわれますが、私はこの「冬の月」を読んだ時、雪の冷たさがジンジンと指先に伝わってくるような感覚になって、長い冬・厳しい寒さに居ての「生活」原風景にとっても感動したのです。
うっすらと血がにじむアカギレの指先を見るような情愛・・・。
そんなことを勝手に感じたんです。
この「冬の月」は世界の人々に知れ渡っているそうですね。

冬が来て思い出した「方言詩」話でした。
津軽半島の貧しい漁村が舞台の「陽コあだね村」ももう一度読もう・・・。
  

かなこ

 

12/23(火)「宮崎加奈古 気ままに箏ライブ vol.1のスケジュールをアップしました。

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