カナコラム  (更新は毎週月曜・木曜の予定です)

宮沢賢治に想う

2003/09/22

昨日21日は宮沢賢治忌。
私が宮沢賢治の詩に最初に出会ったのは、いつだったでしょう?
いつ頃かという記憶は定かではありませんが、教科書にあった「永訣の朝」という詩でした。
悲しくて悲しくてどうしようもなく、声を出して読めなかったことを覚えています。

けふのうちに
とほくへいつてしまうわたくしのいもうとよ
みぞれがふつておもてはへんにあかるいのだ
(あめゆじゆとてちてけんじや)
        (中略)
あんなおそろしいみだれたそらから
このうつくしい雪がきたのだ
(うまれてくるたてこんどはこたして
 わりやのことばかりでくるしまなあよにうまれてくる)
※また人に生まれてくるときは、こんなに自分のことばかりで
  苦しまないように生まれてきます。
上記は「永訣の朝」の一節です。

二歳年下の妹・トシが死ぬ間際に、「みぞれ=雨雪=あめゆじゆ」を取ってきて欲しいと賢治に頼み、賢治は曲がった鉄砲玉のように外へ飛び出し、「雪」を椀にすくう。
黒い空から降ってくる真っ白い雪は、妹トシを浄化してくれる「雪」と賢治は感じたのでしょうかね。
( )内のトシの言葉としての表記が辛い・・・。
(ora ora de shitori egumo)と言ったトシ、享年25歳。

花巻にある宮沢賢治記念館をたずねたことがありますが、時間が無かったため駆け足でのぞいてきただけ・・・。
詩・童話・農業・科学・・・と多彩な活動をした宮沢賢治の世界を、いつの日にか落ち着いた気持ちでゆっくりとのぞいてみたいな〜と思っています。
学生時代に出会った「詩」の想い出話でした。
  

かなこ

 

9/6(土)秋韻コンサート Vol12のリポートをアップしました。

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