(更新は毎週月曜・木曜の予定です)

どうして箏で洋楽を?

2003/03/06

つい先日、道南の景勝地・大沼の湖畔にあるレストランで演奏してきました。
天候にも恵まれ、お客様にも恵まれ、充実したひとときでした。

(=>リポート

前半のステージ終了後の休憩タイムに、初めてお会いするお客様から、
「こういう音楽を筝で演奏するということは、とっても難しいと思うし、よほど耳が良くなければ調弦の素早い転換など出来ませんでしょう。ましてや洋楽器とのセッションですものね。こういう音楽を、あえて筝で弾こうと思われたのは何故ですか?動機は?」
という質問を受けました。こういう問われ方は初めてでした。

「私は筝曲のみならず音楽全般が好きなんです。ですから、私が弾ける楽器=筝でいろんな音楽を奏でてみたいと思ったんです。」
とっさの答えはこれしか見つかりませんでした。

過去に「筝の曲より簡単なんでしょう?楽でしょう?」とか「受け狙い?」などと言われたこともあり、「感じ方は自由だから、そう思うならそれでいいや」と笑って済ませていました。

「お筝という日本の伝統楽器ででも洋楽界の曲も弾けるんですよ!」
などといったおごった気持ちになったことは一度もありません。
私は「お筝でも弾ける=模倣・真似」という意味合いは好きではないのです。
「筝独特の個性=筝らしい響き」は演奏上の必須条件だと思っています。

「筝の演奏によってどんな音楽を生み出せるのだろう。そこに生まれる音楽はどんなふうに聴こえ、心にはどう届くのだろう。」
他ジャンルの曲にチャレンジする時にいつも思うことです。
そんな思いで25年間弾いてきました。
私は「音楽全般が好き」というより「筝が大好き」なのかもしれませんね。

大沼ライブでの思いがけない一言に感謝します。

かなこ

  

第5回OHNUMA MUSIC STREETのリポートをアップしました。

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