(更新は毎週月曜・木曜の予定です)

琴と石川啄木

2003/03/20

『暑さの果ても彼岸まで、寒さの果ても彼岸まで』
さて、明日はお彼岸の中日・春分の日ですね。
私の家は仏教・門徒宗。
私は不信心なのですが、毎朝お仏壇にお参りしてから朝食をとるといった生活リズムで暮らしています。
「ご先祖様、今日もどうぞお見守りください。」というエゴイスト的拝み方ではありますが・・・

さて、お彼岸といえばお墓参り。
函館の観光スポット・立待岬、その近くの墓地に、悲運の歌人と言われる「石川啄木」とその一族の墓があります。

啄木が函館に滞在した期間は、たった132日とか。
しかしながら、ここ函館に彼が歌人として残した足跡は偉大な遺産であり、啄木と函館の縁は永劫です。
わずか27歳でこの世を去った石川啄木。

≪琴をひけ≫
『沈の香の そよろぎに わが魂はあくがれぬ。
 二人居の初夏や、はしけやし黒髪よ、
 琴をひけ、沈の香に 』(啄木)

啄木の妻が奏でる「琴」の音は、啄木の心を鎮めるにふさわしい音だったのでしょう。

『しっとりと 涙を吸へる 砂の玉
   なみだは重きものにしあるかな』(啄木)

私は啄木の短歌の中でも、この歌が好きです。
この時の「砂」は、函館の大森浜の砂だったのでしょうか。
とにもかくにも、函館には啄木の魂が宿っていることでしょうね。

かなこ

  

第5回OHNUMA MUSIC STREETのリポートをアップしました。

感想・ご意見をお聞かせください。

miyazaki.kanako@gmail.com